理事長所信

私たちは地域から求められているのか。 今、私たちの「シンカ」が問われている。

一般社団法人 大牟田青年会議所
第69代理事長 清水 敬仁

はじめに

大牟田青年会議所は、終戦後の絶望の中にふるさと大牟田を復興したいと想う先輩諸兄の熱き志が集い、つわもの会という創始の精神をもとに1955年7月16日に誕生した。それから68年という年月が経ち、時代は変わり、地域の課題も変わり続けている中で私たちの活動内容も変化を遂げてきた。2020年より猛威を振るった新型コロナウイルス感染症問題の影響もあり、世の中のICTやDXのIT技術が急速に進み、私たちの生活や会としての在り方に変化をもたらしている。私たちは、常に未来を見据えた先駆けの団体として誰もが輝ける団体へと常に「進化」を続けながら、地域を先導できるリーダーとして必要な見識を「深化」させることで、ふるさと大牟田の社会課題を解決することができる真の青年経済人としての「真価」が問われている。伝統や想いの継承があったからこそ、今の私たちは存在し、活動することができていることに感謝の気持ちを決して忘れてはいけない。しかし、何かを変えることに恐れて何も新しいことを起こさなければ私たちは時代から取り残されてしまう。今こそ、私たち自身の「シンカ」と向き合い、Jayceeであることに誇りを持つことができる団体になることが、明るい豊かな大牟田に繋がっていくと確信している。

挑戦することが「ひと」を輝かせる

できない理由を並べる時間があったら、できる方法を考える。JC活動を行っていると家庭と仕事との両立に頭を抱えることもあるだろう。全ての基盤である家庭や仕事を疎かにしてJC活動を続けることは賢明とは言えないが、家庭と仕事だけで自らを磨き続けることはできるだろうか。JCという団体は、挑戦する機会が無数にあり、自己成長の修練を積むことができる団体だが、所属をしているだけで何かを与えてもらえるところではなく、自らの手で何かを掴み取るところである。JCは、偶然起こる好機を待つのではなく、己の未熟さを認め、変化を恐れず自らの手で掴みにいく機会が用意されている団体である。家族を守り、会社を繁栄させ続けながら、今以上に自分の可能性や価値を広げることができるJCは、「ひと」を輝かせる最高の舞台である。この最高の舞台で青年らしく挑戦していこう。

ふるさと大牟田を明るい豊かな「まち」に

JCは地域の課題を解決し、持続可能な社会をつくる団体として、私たちの住み暮らすこのふるさと大牟田市が抱えている課題は何か考え、その課題に対して解決しようとする事業をどれだけ行えているだろうか。時代は常に流れ続けており、その時代その時代で求められている地域の課題は異なるが、私たちの未来である子どもたちのために地域の未来を明るくすることは、私たちの使命であると考えている。そして、地域が活性化することで、人々は笑顔になり、郷土愛が育まれ、今まで以上にふるさと大牟田に誇りを持てるようになる。常に求められているものが変わり続けている中で先駆けの団体であるJCだからできること、JCでないとできないことがある。地域の課題を解決していく先駆けの団体として、私たちは常に現状の課題と向き合い、未来を見据えて行動を起こす必要がある。JCという誇りを胸に奉仕の理想と共にふるさと大牟田を魅力ある「まち」に築いていこう。

仲間との「友情」が活動の原動力に

JCという組織は、20歳から40歳までの青年の団体であるがゆえ、卒業という制度がある。だからこそ青年らしくあり続けることが可能であるが、情熱を持って活動したいと想える団体であるかがとても重要である。JCには「個人の修練」「社会への奉仕」「世界との友情」を掲げた三信条があり、活動の本質を理解しなければ自らの団体に誇りを持つことは難しい。そして、理解を深めることが出来なければ活動する会員は最大限に輝くことができず、それは組織としても魅力あるものではなくなってしまう。決して馴れ合いの中では魅力も信頼も生まれない。互いに高め合い、真剣に活動するからこそ本当の仲間意識が生まれる。そもそも私たちは世界平和の繁栄に寄与する団体であり、平和へ繋がる最たるものは戦争や紛争をなくすことであるから、志を同じくする仲間との絆や信頼関係は、会の目的そのものと言えるのではないだろうか。自分達のため、ふるさと大牟田のために何ができるか本気で語り合える生涯の仲間と「友情」を育みながら共に未来を切り拓いていこう。

地域を先導する真の青年経済人として

JC会員のことをよく青年経済人と表すことがあるが、私たち会員は経済についてどの程度の見識を持っているだろうか。お金の話をするのはよくないという日本人の文化があるように感じている。JCにおいても仕事の話をするのはJCではないと言われていた時代があったが、その考え方は今も強く根付いているように感じている。しかし、青年経済人である私たちが経済について語り合うことに何の弊害があるのだろうか。もちろん、JCに入会すれば会員が顧客になってくれる、自社の宣伝を自由にしてもよいという話をしている訳ではない。経済を学ぶことは自社の繁栄、家庭の幸福に繋がっていると私は考えている。JCをやったことで家庭が壊れる、会社が傾く、そんな会員を出してはいけない。家庭のため、会社のため、ふるさと大牟田のためにJC活動を行っていると自信をもって言える会員が一人でも多く活動できる団体になることで、Jayceeとしての誇りが生まれ、ふるさと大牟田の発展に繋がっていくと私は確信している。

結びに

私たちは、世の中を劇的に変えることは出来ないかもしれない。しかし、ふるさと大牟田に住み暮らす人々に希望を与えることは出来るかもしれない。そのためには、青年である私たちが自らの未熟さを理解し、出来ない現状を悲観することなく、青年である私たちが率先して行動し、成長することに貪欲になり、不変の理念である「明るい豊かな社会の実現」をめざして高い志を持ち、仲間との友情を糧に歩み続けることで必ず道は切り拓けるだろう。2025年度に控える創立70周年に向けて、2024年度の準備の年であることを最大限に活かしながら、今このタイミングだからこそ変革することに挑戦し、組織や自らの「シンカ」と向き合い、Jayceeとして誇りを持ち、品格のある青年として明るい未来を築いていこう。

私は信じている。
私たちなら“できる”と。


2023年度 基本方針