理事長所信

一般社団法人 大牟田青年会議所
第66代理事長 田中 雄二

はじめに

以前の私は自分のことばかりを考え、自分さえよければという想いで他人のことには無関心でした。入会して私が初めて委員長の声をかけていただいたとき、それまでの私がJCのことを真剣に考えずに過ごしていたため、うまく説明できず、家族や会社では誰ひとり理解してもらえないどころか、まともに話も聞いてもらえませんでした。そんな風に悩んでいる私にとある人が言った一言が印象的で今でも鮮明に記憶に残っています。「最後に決めるのは自分である」その言葉をいただいてすぐに委員長を受けることを決めました。委員会の担いとしては大牟田に花火大会を復活させることを主とし、その時には何も考えず、ただひたすらに開催に向け行動してきました。そのなかで委員長になる前には考えてもいなかった市民のために開催したいという想いが芽生え、より強い使命感に駆られたのを覚えています。その使命感が気づかぬうちに委員会メンバーに伝播し、やがて多くの仲間に支えられ強い絆を育むことができました。
 JCは20歳から40歳までしか活動することができません。その限られた時間のなかで、ひたむきに汗を流して活動・運動をすることで、この郷土を愛する心が育まれます。そして、気づけば素晴らしい自分と出逢うことができます。「はじめから素晴らしい人間はいない」多くの助言や叱咤激励のなかからなにを選択するかは自分である。そして最後に決断するのは自分である。勇気を出し一歩踏出す人間にだけ未来を切り開くチャンスがくる。さあともにJayceeとして歩もう。

まちづくり

まちづくりをする団体がJCしかなかった時代から、今では多くの団体が魅力的な郷土を目指し運動を展開しています。この郷土をさらに魅力的なものにするにはそれぞれの考えを持ち寄り、意見をぶつけ合い互いに力を合わせることでより力強い運動へと進化することができ、より魅力的な郷土へとなります。
 私たちが住み暮らすこの郷土をさらに魅力的なものにするために様々な団体と協働し仲間とともに明日の郷土のことに想いを馳せ、夢を描き行動することが必要です。周囲から絵空事といわれようと真剣に考え行動すれば、その想いは具現化され活動の渦がやがて大きな運動として市民に伝播していくことができるのです。

ひとづくり

JCに入会すると多くの人たちと出逢います。「将来の大牟田を受け継いでくれる若者の養成」これは大牟田JCの前身であるつわもの会の創始の目的であり、現在も私たちの活動の根幹であり脈々と受け継がれています。自分が誰と出逢いどのような会話をし、そしてどのような行動をとるかによってその人の人生が大きくかわっていくのです。青年が一人でまちのことを考えて動いても、できることは限られています。それが大勢集まることでおおきな流れになり、まちに活気を起こすことができる力になります。JCの中で、経験様々な仲間と知恵を絞り出し意見をぶつけ合い切磋琢磨しながら、やがておおきなひととして成長することができるのです。この「人生道場」において妥協をせず修練・奉仕・友情を探求する者が真のJayceeとなりこの郷土を豊かにしていくのです。

青少年健全育成

お節介で人のために役に立つかっこいい大人が、少年の頃の私にとって輝いて見えていました。あれから多くの歳月がすぎ私は青年になりました。いまでもその時に刻み込まれた思考は根強く残り私のなかでの善悪を決める根幹にあります。青年会議所らしい大胆な運動と、「人としてどう在るべきか」を問い、夢を持ち行動することこそが青年会議所がめざす明るい豊かな社会の実現につながっていきます。

SDGs

国連にて採択されたSDGsのなかのも世界的に広まっている中において、郷土大牟田においてはまだまだ認知度が低いように感じます。大牟田青年会議所としてもこのSDGsに対し積極的に取り組み運動を発信していくことでSDGsの必要性を郷土へ浸透させることができ、それが持続可能な大牟田につながります。私たちが取り組んでいる運動はすでにSDGsに関係のあるものばかりですが、これをSDGsの各目標に紐付けすることにより地域からみた運動の理解度は高まり浸透力も増すものと考えます。それがさらに私たちが取り組むJC運動を推し進め、地域においてもSDGsの認知度が高めることができるのです。

予測不能な自然の驚異

昨今、世界規模で新型コロナウイルス感染症が発生し、日本では各地で豪雨災害が起こり近年稀に見る異常事態が起こっています。これまで災害がほとんどなかった大牟田も被災地となりましたが、災害に対する知識が乏しいために、初動が遅れたように感じます。被災した今まさに一人ひとりが真剣に考えることができる絶好の機会となっています。有事の際は大牟田青年会議所としてまちと連携し直ちに動けるように備えておきます。

終わりに

脈々と受け継がれてきた創始の精神は私のなかでも育まれ、自信を持って行動できるようになりました。それはやがて次代にも受け継がなければなりません。先輩にも後輩にも恥じぬようにこの時代を、責任をもって次に託す。ひとりの一歩は小さくとも、多くの仲間がいればやがて大きな歩みになります。私たちが自らの意思に自信を持ち一歩踏み出すことで明るい豊かな社会を実現できるのです。


2018年度 基本方針